一時預かりのカンタロー
2012年の10月くらいに一匹の野良っぽい猫がウチの近所を徘徊するようになりました。
またやっかいなのが来たなぁというくらいにしか思ってませんでしたが、
この猫は他の野良猫とは違い、やたらと人懐っこく、
母親が庭で洗濯物を干してると嬉しそうに寄ってきて、ニャンニャン甘えてきます。
私よりも更にネコキチな母親が、
最近さむいから、外のあの子もかわいそうやわぁ。
などと言い出し、
いらない毛布を庭の隅に置いてみたり、
お手製ダンボールハウスをせっせとこしらえてみたり、
エサまでも朝晩やり始めました。
当然、居心地が良いので居座ってしまい、
あら、どうしましょ!ここに住む気かしら。困ったわねぇ。
自分が餌付けして住処提供してるくせに、あの子ウチに居座る気かしら。
と困り果てる母親の姿を見て、俺も親父もポカーンです。
すでに室内飼いの猫が5匹いるし、
エサ代、病院代、薬代と馬鹿にならないお金が掛かってるんで、
申し訳ないけど、どっか行ってもらおうということになりました。
保健所に差し出すのはさすがに気が引けるので、
ダメなこととは分かっていますが、少し離れた野良猫スポットに置いてきました。
しかしこの猫、あんな良い住処は他にはねーぜ!
と言わんばかりの勢いで、雨にうたれズブ濡れになりながら、丸一日かけて家に帰ってきてしまいました。
夜にケージに入れて車で運んだので、道順とか絶対に分からんハズだし、
途中に車通りの多い4車線の幹線道路が2本もあるんですが、どうやって戻ってきたんだ??
犬並みの帰巣本能です。
捨てた日の夜に親父が、
あの猫帰ってきたらウチで飼ってやろうw
と冗談で言ってたのがホントになるとは(汗
その後半年ほどウチの庭で過ごすことになり、
元からいる猫達とも少し仲良くなってきたので
そろそろ中に入れてやってもいいかなーと話してた矢先、
あのー、すみません。その猫ちゃんよく見せてくれませんか?
たまたま店先でこの猫と戯れてると、
知らない奥さんにそう話しかけられました。
外飼いなので、一瞬この子が人の家の庭を荒らしたとか、
洗濯物に小便引っ掛けたとかで怒りに来たんかな・・?と思いテンパりましたが、
まぁ、やっぱりシロちゃんやないの!
奥さん今にも泣きそうな感じでヨシヨシしてます。
詳しい話を伺うと、
2年ほど前、この奥さんの家で飼ってる猫が仔猫を数匹産み、
その中の一匹、人(猫)一倍好奇心が強いこの猫がベランダから逃げ出し、
今までずっと行方知れずだったということです。
逃げ出してから相当時間が経つし、どこかで車に跳ねられて死んでるのかも・・・と、
半分諦めてたみたいですが、
たまたまウチの前を通りがかった時にちらっと姿が見えたようで、
慌てて引き返して見に来たようです。
今まで預かって頂いて、本当にありがとうございました!
その日のうちに、菓子折りと猫ケージを持って引き取りに来られ、
母猫と兄弟の待つ古巣へと旅立って行きました。
月に帰っていく、かぐや姫かと。
♂やけどw
そろそろ行かなくてはなりませぬ。今までお世話になりました。シクシク
そう訴えかける目がケージの中から見えて・・・ませんでしたw
いつも通りのしかめっ面♪ どっちかというと、
けっ!こんなビンボーなあばら屋からオサラバできてせいせいしたぜ!
といった目つきです☆
見つけて貰って良かったね!
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